2010年11月 4日 (木)

RCヘリ講座:15限目「プロポの持ち方、操作の仕方」

■15限目「プロポの持ち方、操作の仕方」

テニススクールに入会し、最初に習うのがラケットの握り方だったりすると思いますが、プロポにも何種類か持ち方があります。

とは言うものの、規則として決められた持ち方...というのがあるワケではなく、実はどう持とうが個人の自由でして、それこそ星の数ほど持ち方があるかも知れませんが、代表的な持ち方として2種類を挙げてみたいと思います。

一つは少なくとも日本では一般的と思われる、両手でプロポを持つスタンダードスタイル(勝手に命名)、もう一つはヨーロッパで多く使われている、駅弁の売り子さんのようにプロポをトレイに乗せて操作するユーロスタイルが世界的にも代表的な持ち方だと思います。

ユーロスタイルだとスティックを人差し指と親指で摘むように操作するため、スイッチ類が操作しやすいように、それ用のプロポが売られていたりします。

日本でRCヘリを飛ばすようになった初心者の方が、ユーロスタイルで飛ばしているところは、ほとんど見たことがありませんので、ここではあくまで私流ではありますが、スタンダードスタイルについて書きたいと思います。

●なぜプロポの持ち方なんて書く必要があるのか

私が考えるプロポの持ち方論には2つのポイントがあります。

1つ目のポイントは、スイッチ類の操作です。

RTF(Ready To Fly)セットに付いてくるようなノーマルプロポであっても、可変ピッチ機であれば、最低でもプロポの左肩あたりにコンディション(フライトモード)を切り替えるスイッチが付いているかと思います。

FF10などのミドルクラスのコンピュータプロポともなれば、プロポ上部の前面に4つくらい、両肩に2つずつくらいの合わせて8つくらいのスイッチが付いています。

RCヘリをフライト中に操作するスイッチは、コンディション(スロットルカーブとピッチカーブの切り換え)、ホールド(スロットルをOFFでロックしピッチのみ操作する)くらいですが、場合によってはエルロン、エレベータ、ラダーのデュアルレート(舵角)の切り換えや、ジャイロのモード(ヘッドロックとノーマル)や感度の切り換えをスイッチに割り当てることがあるかと思います。

またスケールヘリで引っ込み脚を装備している場合は、引っ込み脚の動作をスイッチに割り当てます。

これらのスイッチを、フライト中にフライトに影響を与えずに操作できるかどうかが1つ目のポイントになります。

2つ目のポイントは、スティックの操作を縦横混ざらずに操作することができるか、ということになります。

日本で多く使われているモード1のプロポは、

・右スティック上下:スロットル&ピッチ(回転数とローター仰角)
・右スティック左右:エルロン(ロール軸方向)
・左スティック上下:エレベータ(ピッチング軸方向)
・左スティック左右:ラダー(ヨー軸方向)

という割り当てになっています。

この4つの操作を、両手の親指で操作するワケですが、エルロンだけ操作しているつもりなのに回転数も上げてしまったり、エレベータだけ操作したいのに何故か機体が横を向く...といった感じで、縦方向の操作と横方向の操作が混じってしまう事がよくあります。

これを舵混じりなんて言ってますが、舵混じりには2種類あって、機体の設計が問題で舵が混じる構造的・機械的なものと、縦横の指の操作が混じってしまうプロポ操作が原因のものがあります。

構造的・機械的なものは、各種調整やミキシングで低減される場合がありますが、指の舵混じりはプロポの持ち方でも変わってきます。

プロポの持ち方は、この「スイッチ類の操作」と、「舵混じりの軽減」の2つのポイントをクリアするための持ち方、ということになります。

●プロポの持ち方

まずダメな例ですがこんな感じになってる方が多いんじゃないでしょうかと思います。

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プロポの両脇を両手で支えるように持つのは正しいですが、プロポの中間から下あたりを持っています。

これだと人差し指でスイッチを操作するとしても、プロポの内側にあるスイッチには指が届かないので、スイッチを操作するために手の位置を変えたり、スティックから指を離すことになったりしますので、いかにもフライトに影響を与えそうですよね?

またプロポの下の方を持つと、親指が「ハ」の字になると思います。

これだと、例えばエレベータを上方向(ダウン)に打つ場合、斜めになっている指を縦にだけ動かすことになりますが、指は指の付け根を軸に動くものですので、かなり意識しても難しく、どうしてもラダーを左方向に打つ方向に動いてしまいがちです。要するにエレベータだけを操作したいのにラダーも混じってしまう舵混じりということになってしまいます。

スイッチ類の操作と舵混じりの軽減の2つのポイントともクリアできない持ち方、ということになってしまいます。

一方、もう一度書いちゃいますけど私流ではありますが、こんな感じです。

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先ほどのありがちな持ち方と比べ、かなり上方の、プロポの肩に人差し指の第二関節を乗せ、中指、薬指、小指はプロポの背中にある、ちょうど指で支えやすいように盛り上がっている部分を掴み、親指はもちろんスティックの上に乗せ、手のひらはプロポに触れないくらいで、全体的にフワッとした感じで、プロポの底面をお腹に押しつける感じで持ちます。

プロポの裏を見ると、ちょうど指が掛けやすい形状になってますよね?

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ネックストラップを併用すると、首にプロポを預けられるため、力まずにプロポを持つことができます。

ちなみに親指をスティックに置く位置ですが、これはそれこそ人それぞれだと思いますが、親指の先端から第一関節までの間で、親指の先端から1/3くらいの辺りにスティックが来るようにして、指先の毛細血管と末梢神経が集中している部位を使う感じです。

私は比較的手が小さい方だと思いますが、それでもこの持ち方であれば、どのスイッチにも手の位置を変えずに人差し指で操作できます。

また親指が、ダメな例の持ち方よりも、「ハ」の字が上下潰れたような、横一直線に近い状態になります。

極端な話、横一直線であれば、縦と横の操作を切り分けるのは、やってみれば分かると思いますが、「ハ」の字状態と比べれば、かなり簡単になると思います。

このように持ち方をちょっと変えるだけで、これらの2つのポイントをクリアできるワケです。

現在飛ばしている機体が固定ピッチ機で、スイッチなんか付いてないぜっ!という場合でも、ゆくゆくは可変ピッチ機を飛ばす事を考えて、プロポの持ち方を研究してみて下さい。

BLADE mSRについてくるゲームのコントローラのようなプロポでも、これらを意識して持ってみると、舵混じりがかなり軽減されると思います。

ただし、持ち方を変えると、どうしても操作感が変わってしまいますので、最初はシミュレータで練習するなどして慣れて、最低でもスイッチが操作できるように矯正した方が良いと思います。

始めたばかりの初心者の方は、まだまだ矯正が可能だと思いますので、是非チャレンジしてみて下さい。

●プロポ操作ポイント1(スティックから指を離さない)

皆さんがクルマを運転中に、ハンドルから両手を話したり、ブレーキとアクセルから足を離なんてことは極短時間ならやるかもしれませんが、危ないので普通はあんまりしないと思います。

何故危ないのかというと、ハンドルやブレーキ、アクセルから手足を離してしまうと、何かあって操作するまでの間に、どうしてもタイムラグが発生してしまうので、ブレーキを掛けるのが遅くなったり、ハンドルを切るのが遅れたり、道路の轍にハンドルをとられたりするからだと思います。

これはRCヘリでも全く同じで、ヘリは操作するタイミングと量が命ですし、風は一定に吹いているワケではありませんので、ホンの0.0何秒でも遅れとなる要因は排除せねばなりません。

ホバリング中は絶え間なく操作する必要がありますので、まだ身体で覚え切れず頭で飛ばしている初心者の方にとって、フライト中にスティックから指を離すなんてことは、本来絶対にあり得ないワケです。

スティックから指を離してしまう要因としては、エルロン・エレベータ・ラダーに関しては、スティックを中立に戻すためのスプリングが内蔵されているため、指を離しスプリングの力を利用して中立に戻す、というものです。

これはどういうことかと言うと、指を離している間は、少なくとも2つの舵かスロットル/ピッチに対して全く操作できないワケです。

またスプリングで中立に戻る様子をよぉ~くご覧頂くと分かると思いますが、指を離して一発で中立位置に収束するのではなく、僅かながら行き過ぎて~戻って~を繰り返し、何度か揺れ動いてから中立位置に収束します。指を離すとビヨヨ~ンと往復する音がしていますよね。

最近のRCメカは大変高性能で、速く正確に動きますから、この「スティックの揺れ」を感知してサーボがスティック通りに動いてしまいます。

ビタっとホバリングするには、常に1mm単位でスティックを操作するような感じですから、かなり困った状態である事が分かりますよね?

ですから中立に戻す際も、スプリングではなく、必ず自分の意志で指を動かし中立に戻します。その中立位置を分かりやすくするためのスプリング...って感じですかね~。

ちなみにトリムを調整する際は、親指でトリムレバーを操作することになりますが、フライト中にやろうとした時に、トリムレバーを指で探しちゃったりすると、秒単位でスティックから指を離すことになったりしますので、慣れない内は必ず着陸させてからトリムを操作するようにします。

●プロポ操作ポイント2(ザク切りはしない)

ザク切りとはいっても、ガンダムのザクではありません(笑)

プロポっていうのはデジタルプロポーショナルシステムの略であることはご存じな方も多いかと思いますが、プロポーショナルというだけに、スティックの動きに応じて、動かした分だけ比例的にサーボが動作します。

PCMや2.4GHzのプロポに関しては、デジタル制御になっていますので、例えばサーボの120度という動作範囲の中には段階があって、仮に3段階しかない場合、右・中間・左というON/OFF的な動きになるワケですが、実際には人には判別できないくらい細かい段階なので、実質上無段階になっています。

そういった非常に滑らかな動作をするRC装置ですから、ザクッ、ザクッと大きな操作せず、機体をよぉ~く見て、タイミング良く、必要最小限に、ゆっくりじわぁ~っと、滑らかな操作を意識して飛ばすと、機体の動きが穏やかになり、同じ機体でもどっしり安定しているように見えます。

ベテランフライヤーの激しいように見えるスティック操作でも、ザクザクと操作しているのではなく、素早い動きをする機体を、繊細に的確にコントロールしているわけです。正に「スティックさばき」って感じですね~。

●まとめ

人それぞれ手の大きさも違いますし、「正しい持ち方」というワケではありませんが、フライトに支障が無い持ち方を研究して頂ければと思います。

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2010年10月13日 (水)

RCヘリ講座:14限目「可変ピッチ機の基本調整」

■14限目「可変ピッチ機の基本調整」

可変ピッチ機のファーストフライトまでの私流の基本調整について、一般的と思われるT-REX450系を例に書きたいと思います。

これを完全に理解してマスターすれば、基本的にどんなヘリでも原理は同じですから、色々な機体へ応用することができると思います。

ここでは機体をマニュアル通りにキチンと組立られたものとして話を進めます。

組立のポイントはこちらのRCヘリ講座:13限目「初期調整・設定の基本」をご覧頂ければと思います。

またプロポは、モード1(右スティック上下でスロットル・ピッチ、左右でエルロン、左スティック上下でエレベータ、左右でラダー)のフタバ製FF10の用語で、ジャイロは視覚的に分かりやすいGY401とします。

なお、調整時はモーターが突然回転したりしないようにするため、アンプとモーターの結線は、必ず3本のうち2本以上外しておいて下さい。(一本だけでは電流が流れるのでアンプが焼損する恐れがあります)

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1.プロポの初期設定

プロポの初期設定を行います。

空いているモデルメモリーに変え、ヘリコプター用で120度スワッシュモードとなるように変更します。

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続いて各項目について設定を確認します。

  • トリム、サブトリムは全て中立
  • エンドポイント、デュアルレートは全て100%
  • エキスポネンシャルは全て0%
  • SWASH AFR(Adjustable Function Rate)は全て+50%
  • リバースはフタバ製プロポの場合、3chのみリバース設定
  • 各種ミキシング機能は全て無効
  • ホールドスイッチを有効にする
  • ホールド用のピッチカーブを設定する。
  • 各コンディション(アイドルアップ1、2)を有効にする

ジャイロについてはそのままにして後で設定します。

ホールドを有効(INH→OFFまたはON)にし、プロポの右肩手前のスイッチ(SW-G)を手前に倒すと動作するようにし、基本的にホールドをONにして調整を行います。

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ホールドをONにする(SW-Gを手前に倒す)と、ホールド用のピッチカーブを使うようになり、スロットルはOFFのまま操作できなくなります。

ホールドは、オートローテーションする時に使いますが、その他にもアイドルアップ時に墜落した時の動力カットや、地上での調整時に右スティックを誤って上げてしまった時にローターが回り出さないようにするためなど、安全のため必ず設定します。

ホールドを使えるようになったらホールド用のピッチカーブを設定します。

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ホールド用のピッチカーブは右スティック最下位置でピッチ最小、最上位置でピッチ最大となるように斜め45度に一直線となるように設定します。

次に、ホバリングや離着陸に使うノーマルに加え、アイドルアップ1(上空用)とアイドルアップ2(3D用)を有効にし、プロポの左肩手前のスイッチ(SW-E)で切り替えられるようにします。

スイッチのポジションは奥でノーマル(ホバリング)、中間でアイドルアップ1、手前でアイドルアップ2です。

アイドルアップ1、2を有効(INH→OFFまたはON)にすると、ノーマル用のスロットルカーブとピッチカーブとは別の、各アイドルアップ用のスロットルカーブとピッチカーブを設定できるようになります。

アイドルアップとは、右スティックを下げた時に、ピッチは下がるけどスロットルは下げずにモーターを回し続けるというスロットルカーブとピッチカーブを設定するもので、アイドルアップにすることによってマイナスピッチが使えるようになり、背面飛行などが可能になります。

背面飛行はしないまでも、アイドルアップに入れた方がメインローター回転数を保てるため、右スティックを下げても舵が効き、風が吹いても安全に飛ばせますし、何にも増して飛ばしやすいので、アイレベル(目線)以上の高度で飛ばすような際は、アイドルアップを設定し、使うようにします。

2.サーボの動作方向の設定

エルロン、エレベータ、ピッチの3つのサーボを、プロポで協調させて制御するCCPMタイプのヘリコプターは、スワッシュプレートを動かすために、この3つのサーボが、それぞれ正確に動く必要があります。

初期の設定のままだと、それぞれのサーボがあらぬ方向へ動き、動作量もまちまちだったりしますので、まずは動作方向を正しい方向へ設定します。

アンプとモーターの結線が外れていることを確認し、プロポの電源を入れ、ホールドを有効にします。

続いて機体側の電源を入れ、次の動作を確認します。

  • 右スティックを上下させる
  • その際、3つのサーボの内、違う方向へ動くサーボを特定する
  • リバース機能で、違う方向へ動くサーボの動作を逆転する
  • 動作方向が3つのサーボとも同じ方向になったら、右スティックを上げたらスワッシュプレートが上がる方向へ動くか確認する。
  • 逆だった場合は、SWASH AFRのPITを+50%から-50%へ変える
  • 右スティックを左右に動かし、右に動かしたらスワッシュプレートが右へ傾く方向か確認する。
  • 逆だった場合は、SWASH AFRのAILを+50%から-50%へ変える
  • 左スティックを上下に動かし、上に動かしたらスワッシュプレートが前へ傾く方向か確認する。
  • 逆だった場合は、SWASH AFRのELEを+50%から-50%へ変える

これでサーボが正しい方向へ動くようになりました。

3.サーボの中立出し

サーボの中立出しは、全ての基準となる、3つサーボが中立(サーボホーンがマストと直角)の時にピッチ角がゼロ度となる設定への第一歩なので慎重に行います。

まずスワッシュプレートから上のヘッド部分を一旦取り外します。

マストとヘッドを固定しているネジと、スワッシュプレートから上のボールリンクを外す必要がありますが、私の場合、ボールリンクを付けたり外したりすると、ボールリンクの穴が広がってガタが出てしまうのがイヤなので、スワッシュプレートにボールを固定しているネジを外し、ボールごと取り外しています。

サーボとスワッシュを繋ぐリンケージロッドが、3本とも説明書通り0.1mm単位で正確な長さになっているか確認します。

プロポの電源を入れ、ホールドを有効にします。

ホールド用ピッチカーブが-100%~+100%の中間となるピッタリ正確に0%の位置になるように右スティックを動かします。

これが難しい場合は、右スティック最下位置で0%になるようにピッチカーブを設定すれば何も考えずに右スティックを一番下げればピッチカーブの値が正確に0%にすることができます。

この状態で機体の電源を入れ、3つのそれぞれのサーボのサーボホーンがなるべく水平(マストと直角)となるように、サーボホーンの向きを調整します。

続いて3つサーボの内、サーボホーンが一番見やすいサーボに着目し、サーボホーンが完全に水平(マストと直角)となるようにサブトリムで調整します。ちゃんと水平になっているか心配な場合は、マストやマストと水平なフレームなどに直角定規を当ててみたりすると良いかもしれません。

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スワッシュレベラーをマストに通して、スワッシュレベラーの脚がスワッシュプレートの3本のアームに乗るようにに装着し、先ほど完全に水平(マストと直角)にしたサーボを基準として、このサーボと同じ高さになるように、残り2つのサーボについてもサブトリムで調整し、スワッシュレベラーの脚とスワッシュのアームが3つとも密着するようにします。

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ここまで調整できたら、ヘッドを取り付けます。

4.ピッチ角ゼロ度の調整

最近のT-REX450は、サーボとスワッシュを繋ぐリンケージロッドとスワッシュとミキシングアームを繋ぐリンケージロッド以外は長さを調整できないので、この2種類のリンケージロッドで調整します。

プロポの電源を入れ、ホールドを有効にし、機体の電源を入れます。

ホールド用ピッチカーブが-100%~+100%の中間となるピッタリ正確に0%の位置になるように右スティックを動かします。

各サーボが水平(マストと直角)であることを確認し、さらにミキシングアームやフライバーパドル、フライバーパドルコントロール、ウォッシュアウトコントロールアームが水平になっているか確認します。

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水平でない場合は、サーボとスワッシュを繋ぐリンケージロッドの長さを3つとも同じ分だけ長さを調整します。

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次にピッチ角がゼロ度となっているか、ピッチゲージで確認します。

ピッチゲージの測定方法は、基準となるブレード(私の場合はメインブレードのバランスをとる際にテープを巻いた方)に取り付け、フライバーとマストが直角になるようにした時に、ピッチゲージの上辺とフライバーが重なるように見た時にピッチゲージが指し示す角度を読み取る...ということになります。

ちなみに基準となるブレードは、必ず同じブレードホルダーに取り付ける必要がありますので、ブレードホルダーにも、ペイントするなど何かでマーキングしておくことをお勧めします。

この時、メインローターを固定するドラッグボルトは、キツメに固定しておくと計測しやすいです。

ゼロ度になっていない場合は、スワッシュとミキシングアームを繋ぐリンケージロッドの長さを2本とも同じ分だけ長さを調整します。

サーボとスワッシュを繋ぐリンケージロッドの長さを調整した場合はヘッドを取り外し、スワッシュレベラーを装着して基準サーボの高さに揃っているか確認します。

5.サーボ動作範囲を揃える

サーボの動作範囲は、同じ型のサーボであっても個体差により、動作範囲が異なる場合が多いですので、動作範囲を揃えるためにスワッシュレベラーとエンドポイントで調整します。

まず、ヘッドを取り外してスワッシュレベラーを装着し、プロポの電源を入れ、ホールドを有効にします。

ホールド用のピッチカーブを変更した場合は元(-100%~100%斜め45度に一直線)に戻します。

この状態で機体の電源を入れ、右スティックを最上位置にします。

この時、基準サーボの高さに合わせるように他の2つのサーボについてエンドポイントで調整します。

続いて右スティックを最下位置にし、同様に基準サーボの高さに合わせるように他の2つのサーボについてエンドポイントで調整します。

これでサーボの動作範囲が3つとも同じになりました。

6.最大最小ピッチの調整

最近のT-REX450は、ピッチ角を±12度程度はとることができますので、ピッチ角を計測しながら、±12度のピッチ角を確保できるように調整します。

実際には±10度しか使わないような場合は、ピッチカーブの値を減らせば良いので、ここでは必要十分と思われる最大限のピッチ角を確保します。

ヘッドを取り付けて、プロポの電源を入れ、ホールドを有効にします。

ピッチゲージを基準となるメインローターに装着し、ゆっくりと右スティックを上げていき、右スティック最上位置で+12度となっているか確認します。

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右スティックを上げていく過程で、ウォッシュアウトベースとメインローターハウジングが当たってしまったり、+12度に届かないような場合は、SWASH AFRのPITの値を調整して+12度となるように調整します。

続いて右スティックを下げていき、最下位置となったところでピッチ角が-12度となっていることを確認します。

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-12度になっていない場合は、エンドポイントで3つのサーボを同じ数だけ動かし、-12度となるようにします。

エンドポイントで調整した場合はヘッドを取り外し、スワッシュレベラーを装着してサーボの動作範囲が揃っているか確認します。確認し終わったらヘッドを取り付けます。

これまでで、ピッチカーブが0%でピッチ角ゼロ度となり、必要十分な最大最小ピッチを確保し、3つのサーボが完全に同調して動くようになりました。

7.エルロンとエレベータの舵角調整

エルロンとエレベータの舵角を最大限確保できるように調整します。

実際のフライト時に舵角が大きいと感じる場合は、デュアルレートで舵角を減らせば良いので、ここでは確保することが可能な最大限の舵角となるようにします。

プロポの電源を入れ、ホールドを有効にします。

まず右スティックを左右に動かし、エルロンの舵角を確認します。

最大に動かした時に、マストの回転が渋くなるなど、各所に無理が掛からない程度になるべく大きな舵角が得られるようにSWASH AFRのAILの値を設定します。

同様に左スティックを上下に動かし、エレベータの舵角を確認し、SWASH AFRのELEの値を設定します。

さらに最大最小ピッチ時においてエルロン、エレベータを同時動かすなどして、あらゆる場面で無理なくスムーズに動作するか確認します。

これでデュアルレートで舵角を100%にした時に最大の舵角が得られるように設定する事ができました。

8.ジャイロとラダーサーボの動作方向確認

ジャイロの初期設定と、ジャイロとラダーサーボの動作方向の設定を行います。

まずプロポのジャイロミキシングにおいて、ジャイロミキシング機能を有効にし、GYモードにします。

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ジャイロ感度の割り当ては、とりあえずプロポの左肩の奥のスイッチ(SW-F)に割り当て、手前(DOWN)でノーマルモード(NOR)、奥(UP)でヘッドロックモード(AVC)となるようにし、それぞれ50%の感度とします。

続いてジャイロのスイッチの確認をします。

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DSスイッチは、ラダーサーボがデジタルサーボかアナログサーボかを選択するスイッチで、デジタルサーボを利用する場合はONにして下さい。DSスイッチをONにしてアナログサーボを使用するとサーボが耐えきれずに壊れます。

DIRスイッチ(動作方向)はノーマル(NOR)、リミット(ラダーサーボの動作範囲)は50%ほど、ディレイ(サーボの動作速度を遅延させる機能)は0%としておきます。

ホールドを有効にし、GY401はヘッドロックモードで電源を入れる必要があるため、SW-Fが奥(ヘッドロックモード)である事を確認して、機体を動かさないようにしながら機体の電源を入れ、ジャイロが初期化されるのを待ってからラダーサーボの動作方向を確認します。

ラダーサーボの動作方向は、左スティックを右に倒した時に、テールローターがプラスピッチになる方向(ラダーサーボのサーボホーンが前方向)へ動くことを確認します。

動きが逆の場合は、プロポのリバースでラダーを逆転します。

次にジャイロの動作方向を確認します。

機体をマストを中心に左回転させた時に、ラダーサーボが、テールローターがプラスピッチになる方向(ラダーサーボのサーボホーンが前方向)へ動くことを確認します。

動きが逆の場合はジャイロのDIRスイッチで逆転します。

これでジャイロとラダーサーボが正しい方向へ動くようになりました。

9.ラダーサーボの中立と可動範囲の調整

ラダーサーボの可動範囲とは、テールピッチスライダーの可動範囲ということになります。

テールピッチスライダーが中央(テールローターのピッチがゼロ度)で、ラダーサーボが中立となり、テールピッチスライダーを最大限動かせ、テールローターの性能を100%使えるように調整します。

まずラダーサーボの中立を出します。

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ジャイロがノーマルモードだとラダーサーボの中立が分かりやすいので、SW-Fを手前に倒し、ジャイロのモードをノーマルモードにします。

ここで機体を動かさないように気をつけながら、ラダーサーボのサーボホーンが直角(マストと平行)になるようにサーボホーンを取り付けなおします。

機体を動かしてしまった場合は、SW-Fを奥にして、一度ヘッドロックモードにしてから再度SW-Fを手前にしてノーマルモードにすると、ラダーサーボの中立が出ます。

丸形サーボホーンがあれば、少しずつサーボホーンを回転させてズラすことによって、ほぼ直角にすることができます。

この状態を基準としてテールローターのピッチがゼロ度(テールピッチスライダーが中央)となるようにラダーサーボの位置をズラすか、リンケージロッドの長さを調整します。

ラダーサーボを動かす場合は、重心位置もズレますので注意します。

この状態で左スティックを左右とも最大に動かし、テールピッチスライダーが動いている範囲を確認します。

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テールピッチスライダーが左右ともいっぱいまで動いていない場合は、ジャイロのリミットで左右ともいっぱいになるように調整します。

リミットが100%でもいっぱいまで動かないようであれば、サーボホーンにリンケージロッドを取り付ける穴の位置を一穴外側に移動します。

逆にリミットが少なすぎる場合は、テールの制御が粗くなるので、サーボの分解能を使い切るためにも、サーボホーンにリンケージロッドを取り付ける穴の位置を内側にしていき、リミットが100%近くでいっぱいに動くように調整します。

左右どちらかだけがいっぱいまで動くような場合は、テールピッチスライダーの中央に中立が来ていないことになるので、ラダーサーボの位置をズラすか、リンケージロッドの長さを調整してテールピッチスライダーの位置を修正し、左右とも同じようにいっぱいに動くように調整します。

ラダーサーボを動かす場合は、重心位置もズレますので注意します。

これでファーストフライトまでの機体側の調整は終了となります。

10.舵角等の調整

私の場合、デュアルレート、エキスポネンシャル、ジャイロ感度、ピッチカーブ、スロットルカーブに関しては、コンディション毎に設定し、ホバリング用(ノーマル)、上空用(アイドルアップ1)、3D用(アイドルアップ2)というように分けて設定しています。

まずデュアルレートとエキスポネンシャル、ジャイロ感度ですが、これらはフライトしながら、飛ばしやすいように変えていく部分ですので、暫定的に以下のように設定します。

各機能の切換スイッチの割り当てをCond.にします。そうするとコンディションに応じた設定が出来るようになります。

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  AIL ELE RUD
D/R NOR 85% 85% 60%
IDL1 100% 100% 70%
IDL2 100% 100% 70%
EXP NOR -20% -20% -40%
IDL1 -20% -20% -40%
IDL2 -20% -20% -40%

GYRO NOR AVC50%
IDL1 AVC40%
IDL2 AVC40%

ジャイロも同様に切換スイッチの割り当てをCond.に設定します。基本的にどのコンディションでもノーマルモードは使いません。

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アイドルアップ時は、テールローターの回転数が上がり、テールローターがより敏感に働けるようになるため、ジャイロの感度は10%程度低い値にしておきます。

ピッチカーブやスロットルカーブも、暫定的にマニュアル通りに以下のように設定し、実際にフライトしながら飛ばしやすいように設定を詰めていきます。

以下の各カーブはALIGN T-REX450のマニュアルに書いてあるものと同じです。

【ノーマル・スロットルカーブ】

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【アイドルアップ1・スロットルカーブ】

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【アイドルアップ2・スロットルカーブ】

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【ノーマル・ピッチカーブ】

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【アイドルアップ1・ピッチカーブ】

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【アイドルアップ2・ピッチカーブ】

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これでファーストフライトまでのプロポ・RCメカの調整は完了です。

11.ファーストフライト

ファーストフライト時は、RCメカ類の動作確認、振動の有無や、ネジの緩み、ベルトの張り具合と初期伸びの確認、トラッキング調整というような順序で行います。

まずはプロポのスイッチが全て奥側、若しくは上になっている事と右スティックが最下位置になっているを確認し、電源を入れホールドを有効にします。

機体側の結線等を確認し、問題無い場合は機体側の電源を入れます。

電源を入れる時は、電源投入後数秒間はジャイロの初期化が行われますので、その間は機体を動かさないようにします。動かすとジャイロが間違った位置をラダーの中立と勘違いしてしまいます。

ホールドを有効にしたまま、地上にてピッチ、エルロン、エレベータ、ラダーの動作確認を行います。

次に右スティックが最下位置にあることを確認してから、ホールドを解除し、ゆっくりと右スティックを上げていきます。

普通のRCヘリは、メインローターが機体を上から見て時計回りに回転しますが、逆に回転する場合はモーターとアンプ間の結線3本の内、2本を入れ替えて逆転します。

またテールローターは機体右側からみて、反時計回りに回転します。ベルトドライブの機体で時計回りに回ってしまっている場合は、ベルトを捻る方向が逆ですので、ベルトを捻るの向きを直します。

さらに右スティックを上げていき、スキッドが地面から離れるかどうかという時点で、ジャイロの向きが逆だった場合は、超高速ピルエット状態になりますので、スグに右スティックを下げて停止し、ジャイロのリバーススイッチを逆転します。

問題無い場合は、そのまま浮上させホバリングします。

何か問題があったり、調整を必要とする場合は、必ず着陸させてから作業します。

テールが左右に激しく揺れる(ハンチング)場合はジャイロ感度が高すぎますので、ジャイロ感度を、ハンチングが発生しなくなるまで少なくしていきます。

ゆっくりと左右に揺れる場合は、ジャイロ感度が低すぎますので、同様にハンチングが出る直前まで感度を上げていきます。

アイドルアップ時の感度はノーマル時よりも10%減らした値にしておきます。

次にメインブレードがキッチリ重なって見えるかどうか(トラッキング)をみます。

トラッキングがズレている場合は、基準となるブレードは、ピッチが完全にゼロ度になっているハズですので動かさず、もう片方のブレードのミキシングアームとスワッシュを繋ぐリンケージロッドの長さで調整します。

基準となるブレードよりも上側に見える場合は、ピッチを下げる方向に調整し、逆の場合はピッチを上げる方向で調整し、キッチリと重なって見えるようになるまで少しずつ繰り返し調整します。

トラッキングまで調整できたらトリム調整します。

無風時にホバリングした際、必ずどちらかに流れていく...という場合はトリムで調整します。前後方向の場合は重心位置がズレている可能性もありますので合わせて確認します。

ファーストフライトから数パックは、ネジが緩みやすく、ベルトの初期伸びがありますので、フライト毎に各所のネジやベルトの緩みをチェックします。

特にピニオンギアを固定するイモネジや、スピンドルシャフトを固定するネジは、緩みやすい部分ですので念入りにチェックします。

-------------------------------------------------------

フタバ←→JR プロポ用語 読み替え表

  • エンドポイント→トラベルアジャスト
  • SWASH AFR→スワッシュミキシング
  • 各コンディション(アイドルアップ1、2)→各フライトモード(スタント1、2)
  • スワッシュミキシングは50%→60%
  • ピッチカーブが-100%~+100%→0%~100%
  • ホールドスイッチ 右肩手前→左肩
  • ジャイロミキシング→ジャイロ感度
  • AVC50%→約75%
  • AVC40%→約70%

●まとめ

ここまでキッチリやってあれば、この機体は、ループやロール、背面ホバなんてことは何でも普通に出来ちゃうポテンシャルを持つことになります。

このままでも十分に飛びますが、ここから先は、自分の好みとか飛ばしやすさを追求するために、舵角やエキスポ、ピッチカーブやスロットルカーブといったところを自分に合わせていく調整になります。

これは人によってマチマチですし、機体によっても違うでしょうし、気温だったり、風が吹いてるかどうか、モーターやバッテリの元気度によっても違ったりすると思います。

こうなってくるとマニュアル的なものを書くのは難しく、ヒントくらいは出せると思いますが、フィーリング的な要素ですから、これはもう何度も離着陸を繰り返しながら、何パックも飛ばし込んで、試行錯誤をすることで、ここをこうすればこうなるというのを理解していくしかないんじゃないかと思います。

いずれにしても、これからが非常に楽しいところですから、大いに飛ばしましょう!

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2009年11月 2日 (月)

RCヘリ講座:16限目「e-sky LAMAシリーズ」その1

■16限目「e-sky LAMAシリーズ」その1

今回より機種別情報ということで、始めたばかりの人に最適な「e-sky LAMAシリーズ」について取り上げます。

LAMAシリーズはRTF(Ready To Fry)セットとなってまして、箱から出して、バッテリを充電して、プロポに電池を入れれば飛ばしたところだとは思いますが、そこを堪えてやるべきことがあります。

まずは機体を理解しないと調整もなにもありませんし、機体の構造も普通のヘリとは違いますから、この「その1」では「機体の構造」をメインに紹介したいと思います。

次回の「その2」では基本的な調整方法とオプション的な、より気持ち良く飛ばすための調整や加工なんかをご紹介したいと思います。

なお、LAMAシリーズはRTFセットに付属のノーマルプロポで飛ばしている方が多いと思いますので、ノーマルプロポを前提に書きたいと思います。

LAMAシリーズの従来から現在までのラインナップは、以下のようなメインフレームの違いにより、3系統あります。

EK1-0320:LAMA 2/V3/Robins R22系
EK1-0569:LAMA V4/CO-COMANCHE系
EK1-0684:KOB

型番はメインフレームのパーツ型番です。

私が同軸二重反転式に入れ込んでいた頃は、V3系、V4系がメインでしたので、KOBという機体は触ったことがありませんが、パーツの型番を見る限り、基本的にフレームの形状と被せるボディが違うくらいで、ヘッド回りやRCメカの構成は同じですから、どの機体だとしても参考になると思います。

ちなみに私が飛ばした中では、LAMA V3が一番風の影響を受けず、一番軽量なので飛ばしやすかったです。新型はどうなんでしょうね?

それでは行きましょう!

●機体の全体

20091101_001

20091101_006

LAMA V4の外観です。

同軸二重反転式というだけあってメインローターが上下2段になっています。上下のローターは、それぞれ逆方向へ回り、反トルクを打ち消し合うので、テールローターが必要無いのが特徴です。

V4と同じフレームを使う機首であれば、ボディの換装が可能ですので、色々と着せ替えてみるのも面白いですね~。普通のRCヘリっぽくするコンバージョンキットなんてのも売られています。

ちなみに実機では、ロシアのKa-50、Ka-52、Ka-54が、この形式を採用しています。揚力に関係のないテールローターを駆動する必要が無く、エンジンが持つパワーを全て浮かすために使えるというのがメリットなんだそうですが、ヘッドの構造が複雑になるということで、主流にはなっていません。

●メインフレーム部分

20091101_008

撮影のためスキッドは取り付けていますが、ボディを取っ払えば中身はこれだけです。これだけでも飛びます...っていうか、これだけの方が軽くて良く飛ぶかもしれません(笑)

LAMAシリーズは、メインローターのピッチ角(コレクティブピッチ)が固定されている固定ピッチ機です。

固定ピッチ機ですので、機体を上下させるにはモーターの回転数を変えることで行います。

スロットル(モーター回転数制御)、エルロン(ロール軸制御)、エレベータ(ピッチング軸制御)、ラダー(ヨー軸制御)の4つの制御ができる4ch(チャンネル)方式となっています。

20091101_022

マストを挟むように上ローター用と下ローター用の2個のモーターが配置されています。上下のローターはそれぞれ逆方向にまわるようになっていますので、配線の±が逆になっています。

このモーターは、スロットル操作だけをする分には同じように回転数が変わりますが、ラダーを操作すると回転差がつくように制御され、反トルクを利用して回転数が多い方の逆方向へ機首を向けることになります。

●4in1について

20091101_010

前方には4in1といわれる、受信機、モーター駆動用アンプ×2、ジャイロ、ミキサーが1体となっている装置が配置されています。

「受信機」は、送信機(プロポ:デジタルプロポーショナルシステム)から発せられた電波に乗せられた信号を読み取って、サーボやアンプなどのRC装置に制御信号を送る装置です。

「アンプ」はモーターの回転数を制御する装置で、PWM制御となっています。PWM制御とはスイッチをオンオフを高速で繰り返し、オフの間隔が長ければ低速、オンの間隔が長ければ高速になり、ずっとオフであれば停止、ずっとオンであれば最高速という制御方法です。

「ジャイロ」は、細かく書くと大変なので簡単に書きますと、機体のヨー軸方向のズレを感知し、そのズレを補正するようにラダーを制御する装置です。

機体が右回りしそうなら左回りに、左回りしそうなら右回りに補正し、機首が一方向を向くようにラダーを制御します。

「ミキサー」は、ジャイロ&ラダーとスロットル信号をミキシング(混ぜ合わせる)し、プロポの操作通りに制御する装置になります。

例えば、ホバリング中にラダーを操作した場合です。

スロットルはホバリング中ですからハーフスロットルですが、ラダーを操作したためにジャイロの制御にへラダー信号が加わります。このスロットル操作とジャイロからくるラダー信号をミキシングし、上下のメインローターの回転数に差をつける...というようなことをします。

●ヘッド・メインマスト

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外観として見えるメインマストは中空パイプになっており、その中には上ローターを駆動するシャフトが通っています。

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フレーム下側には、駆動ギアがあり、上側が下ローター用、下側が上ローター用となっています。モーターの軸についているピニオンの取り付け高さが異なり、それぞれのスパーギアを駆動しています。

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基本的に上ローターのサイクリックピッチをコントロールするRC装置はなく、フリーの「スタビライザー」による制御のみです。

要は「ウェイト(オモリ)」で上ローターは、普通に飛ばしている限りでは常に安定方向へ制御されます。

ちなみにシングルローター機に見られる羽根の形状をしたものは、「パドル」と言われ、スタビライザーとは目的が異なります。

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下ローターは、上ローターとは逆に回るので、ローターの向きも逆になりますので、下用のローターを上ローターに使い回すことはできません。

下ローターは、2つのサーボにリンクされているスワッシュプレートによって、エルロンとエレベータといったサイクリックピッチ制御しています。

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サーボを動かすとサーボの出力軸に取り付けられたサーボホーンが動き、サーボホーンにリンクされたスワッシュプレートが傾きます。右側のサーボがエルロンで、左側のサーボがエレベータになります。

スワッシュプレートの傾きは下ローターのローターグリップに伝えられ、周期的にピッチが変わります。

この機体の場合は、いわゆるベル式というものに近い形式になります。なんて言うか上下ローター分離式のベル式じゃないかと思います。

通常のヘリとは異なり、二段になったローターの空気の流れが複雑だからなのかスワッシュプレートが90度方向ではなく45度方向に動くのが特徴です。どっちがエルロンなのかエレベータなのかよく分からないのですが、一応飛ばすとそのように動くところが面白いですね~。

●まとめ

今回は、セッティングを行うには構造を理解していないと難しいと言うことで、ざぁ~っと流すように紹介してみました。

スワッシュが何故45度なのかというのは不可解でよく分からないところですが、それ以外は分かってしまえば原理的に非常に単純だと思いますので、よ~く機体を眺めて機体を理解して下さい!

理解してしまえば、何か問題が起きても対処するためのアイデアなんてのも浮かんじゃったりすると思います。

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2009年10月15日 (木)

RCヘリ講座:13限目「初期調整・設定の基本」

■13限目「初期調整・設定の基本」

20090922_010

どのメーカーのどの機体でも、基本となる調整の仕方があります。

固定ピッチや可変ピッチを問わず、機体の大小も関係なく、どのメーカーのヘリでも通用する普遍的な掟というか、基本となる考え方みたいなものがあります。

どんな「ルール」があるのでしょう?

●「水平」と「直角」

RCヘリの場合、基本的にメインマストを全ての基準として、あらゆるパーツを水平・直角に取り付ける必要があります。

ちょっと思いつくだけでも、フレームはもとより、スワッシュプレート、サーボホーン、ヘッドを構成するパーツ、フライバー、パドル、メインローター、水平/垂直尾翼、テールローター、モーター、ジャイロ、スキッドなどなど、正にあらゆるパーツがそうなのです。

スワッシュプレートは基本中の基本で、スワッシュレベラー等を用いて正確に直角をだしたいところですし、可変ピッチ機では、基準となるピッチ角0度をつくるためには、サーボからヘッド、メインローターに至るまで全てのパーツが水平/直角になるようにしなくてはなりません。

アンプや受信機などは多少曲がって付いていても、問題にはならないですが、それ以外に斜めに付いていて良いパーツって、パッとは思い浮かばないくらいです。

この基準となる状態を作り出せないと、例えば他の人のプロポセッティングを真似たりすることも、全くの無意味になりかねません。

水平と直角、RCヘリを組む際は常に意識しておきましょう!

●ガタ無くスムーズ

リンケージやヘッド、ラダー関係は、ガタ無くスムーズが基本です。いわゆる「ガタ」と「渋み」は大敵です。

ガタや渋みがあると、サーボの動きを正確にメイン/テールローターまで伝えられなくなってしまいます。いくらプロポや機体を設定しても、正確に反映されなくなってしまいますし、レスポンスの遅れ、パワーロス等になってしまいます。

特にラダー関係のリンケージのガタや渋みは、ハンチング等のトラブルとなって即現れます。プッシュロッドガイドなんかも要注意ポイントですね。

渋いところはボールにキズがないか確認したり、リンクトリマーを使うなどして極力スムーズにし、ガタがあるところはボールリンクを交換するなどしてガタと渋みを徹底的に追い払いましょう。

とは言ってもですね、例えばメタルヘッドでもメーカーによっては精度が悪くてガタがありますので、パーツそのものの精度という悩みはあると思います。そういう場合は、なんとか努力する、対策品と交換、諦める(笑)って感じですが、少なくともリンケージにはガタが無いようにしましょう!

●「クリアランス」「バックラッシュ」「テンション」

前項目で「ガタを無くしましょう」と書いていますが、ガタを無くしちゃいけない部分が実はあります。

まずはクリアランス(隙間)です。

回転部分については全く隙間が無い状態では駆動ロスになりかねませんので、メインマストを固定するストッパーとベアリングの間にはコンマ1~2mmといったレベルで隙間を作ってあげる必要があります。

ここで一つ注意点です。

この隙間によってメインマスト全体が上下するということです。メインマスト全体が上下するということは、サーボとヘッドの位置関係が、飛行状態によって変わってしまうということを意味します。これは勝手にピッチが入るということです。ですので「隙間」は大きすぎてはダメですよ!。

次にバックラッシュです。

スパーギアとピニオンギアの間の隙間をバックラッシュと言います。

バックラッシュが適切でないと駆動ロスや異音発生、異常摩耗等の原因になってしまいます。テールがギアドライブの機種などは全てのギアで考慮する必要があります。

バックラッシュは、よくノートの紙1枚分の隙間と良く言われています。

スパーギアは、削り出しの高級品ならともかく、普通は成形品なので、大径なこともあって精度がそれほど高いワケではありません。バックラッシュを調整する際には、必ずスパーギアを1回転させてスパーギアの歪みを確認し、一番キツクなる位置で調整して下さい。

お次はベルトのテンション(張り具合)です。

テールローターがベルト駆動の場合、ベルトの張り具合が強過ぎると駆動ロスになりますし、弱すぎると歯飛びしたりしてテールが安定しなくなります。実際にテストしながら強過ぎず弱過ぎない張り具合を目指します。

最後にドラッグボルトの締め具合です。

いわゆるネジについては下項でも触れていますが、ここではメインローターを支持するドラッグボルトについてです。

ドラッグボルトは単にメインローターを取り付けるネジではありません。ローターは回転中にドラッグボルトを支点に運動していますので、緩すぎず固すぎないようにしなくてはなりません。

よく言われていることですが、機体を横に倒したときにローターが垂れ下がってこない程度の締め具合が良いとされています。

ちょっと文字では伝えにくいのですが、こういった微妙な調整も必要不可欠なんですね。

●「バランス」

回転部分、特に影響が大きい「メインローター」と「フライバー」のバランスとなります。

メインローターは2枚で1ペアですが、この2枚の重さが少しでも違うと、必ず振動となって現れます。またフライバーの長さが両端で違っていたりしても、振動となって現れます。

そのバランスをとる方法ですが、メインローターのバランスは、「静バランス」と「動バランス」があります

静バランスとは一組のブレード同士の重量バランスで、動バランスは、2枚のブレードそれぞれの重心位置のバランスになります。

まず動バランスから行います。

それぞれのブレードの重心位置を測定し、マーキングします。

何でも良いのですが、直径5~7mm程度の丸棒を机の上に縦方向に置き、その上にブレードを横に長手方向となるように置きます。

ブレードの位置をズラしていくと中心となる部分が分かると思いますので、マジックペンなどで印を付けておきます。

それを2枚とも行った所で、この2枚のそれぞれの重心位置がどの程度ずれているか確認します。

重心が同じでない場合は、重心がブレードの先端から遠い方のブレードにテープ等を巻き2枚のローターの重心位置が同じになるようにします。

次にこの2枚をヤジロベーの様にネジとナットなどで固定し、どちらが重いか判定します。

バランスが取れていない場合は、軽い方のブレードの重心位置にテープ等を巻き、2枚のブレードが「全く」同じ重量になるようにします。

テープを巻く際、テープがフライト中に剥がれないようにするため、テープの先端がブレードの後方へ向くようにして下さい。

フライバーの長さは、必ずノギスを使って0.1mm単位で長さを「同じ」にして下さい。

ヘリにおいて振動は、ジャイロの誤動作やパワーロス、ネジの緩み誘発など、フライトするための全てに悪影響を及ぼしますので慎重にバランスをとりましょう!

メインローターとフライバーのバランス調整後、実際にホバリングさせた時に振動があるようでしたら、原因を突き止めなくてはなりません。

その方法ですが、ぱっと見では分かりませんので、メインマストを残してヘッド部分を全てとりはずし、モーターを回して見ます。メインマストが曲がっている場合は、ここで振動が発生します。特に問題がなく振動が発生しない場合は、ヘッドを構成するパーツを一つ取り付けて、再度モーターを回して見ます。これで振動が出なければもう一つパーツを取り付けて...と、一つずつパーツを取り付けていくと、あるパーツを取り付けたところで振動が発生するハズですので、そのパーツが原因であると分かります。

原因となるパーツが判明すれば、そのパーツのバランスをとったり、破損していれば交換するなどして対策します。樹脂パーツは見えない亀裂が入っていたりしますし、メタルパーツも微妙な曲がり、歪み等がありますので、墜落した時などは慎重に観察して下さい。

バランスと言えば「重心」も超重要ポイントになります。

RCヘリの重心はメインマストの位置になります。

バッテリや受信機等の位置を調整し、キッチリ重心を合わせなくてはなりません。

重心が、特に後ろ過ぎる(テールヘビー)と非常に飛ばしづらいヘリになってしまいます。狭いフレームの中ですので、自由度はそれほどありませんが、最低限のオモリを積むなどして合わせて下さい。

●無理なく美しく

これはRCメカ、モーター、バッテリの配線のことになります。

レーシングカーの世界では「速いマシンは美しい」なんて言いますが、これは速いマシンは美しく見えてくるということだと思いますが、実は美しくないと速いマシンにはなれないという事でもあります。外見だけではないのです。

普通に組み上げて、美しく見える機体と美しくない機体の境目は、RCメカの配線にあります。機体自体は説明書通りに組み立てれば、それなりに美しく見えますが、配線はそうはいきません。

可変ピッチ機では、あの狭いスペースにサーボが4つと受信機、アンプ、ジャイロを詰め込むワケですから、ざっと数えてみても10本以上の「線」が存在することになります。ちょっと手を抜けば、スグ美しくない機体の出来上がりです。

その配線のうち1本でもフライト中のスパーギアに当たったり、ベルトに巻き込んだり、リンケージに引っかかったりして断線すれば、たちまちノーコンになって墜落ということになり、安全性・信頼性が大幅に下がってしまいます。またゴチャゴチャしていては他のトラブルも見逃してしまいます。

配線は、以下の点に注意してナイロンストラップ等でキレイにまとめます。

・回転部や可動部から遠ざける。
・断線を防ぐため、鋭角に曲げたりキンクを作らない。
・無理に引っ張らず余裕を持たせる。
※特にジャイロは、振動が配線を通して伝わってしまう

機体を組み上げるのに、実は配線に一番時間が掛かるかもしれません。ナイロンストラップをたくさん用意して、納得がいくまで何度でもやり直し、美しく安全で信頼出来る機体を目指しましょう!

●ネジロック

ヘリは、完璧にバランスをとったつもりでも、多かれ少なかれどうしても振動が発生しますので、ネジの緩みを誘発します。RCヘリにおいて無駄なネジなどは付いていませんので、ネジ1本が脱落することによって墜落してしまうかも知れません。

この緩みを防止するために、ネジロック剤を使用します。RTFセットなどで、機体が既に出来上がってる場合でも、一度バラしてネジロックする必要があります。ネジロック剤はネジ先端部のネジ山の谷部分に薄く塗布する感じで十分です。多すぎると今度は外すときに苦労することになります。

ただしネジロックする箇所は、相手がナットやメタルパーツの場合に限ります。

ナットはナットでもナイロンナットが相手の場合は使用しません。またネジの先が細くなっているタッピングビスも基本的に樹脂が相手となりますのでネジロック剤を使用しません。

ここでタッピングビスの注意点を挙げておきます。

タッピングビスは、樹脂に開けられている穴にネジ山を作りながら締め込むビスです。一度締め込んだタッピングビスを外して、再度締め込む際、何も考えずに締め込むと最初に作られたネジ山を潰してしまい、穴が「バカ」になってしまいます。バカになると、その樹脂パーツを交換することになってしまいます。

タッピングビスを再度締め込む際は、ネジ穴にネジの先を当て、ドライバーでネジをゆっくりと逆に1回転させます。1回転する間にネジ山にポコっとはまる瞬間がありますので、ネジ山にはまったところで締め込むと、ネジ山を壊さずに締め込むことができます。

また最後まで締め込んであるのに、さらにドライバを回してしまうと、やはりネジ山を壊してしまうことになります。固くなったところからほんのちょっと締め込む感じで大丈夫ですので、締め込み過ぎに注意して下さい。

安全に楽しむためにも是非実践して下さい!

●極力重くしない

空中に浮かぶものですので、軽いに越したことはありません。重い機体は風に強くなったりということはありますが、それはどちらかと言えば機体サイズによるもので、同じサイズのヘリなのに重くなってしまうとパワーが重量に喰われ運動性が下がってしまいます。

例えば必要以上に大容量のバッテリを積むと、運動性が下がる上に、適正なバッテリを積む時よりも、高回転高ピッチで飛ばさなくてはなりませんから機体への負荷も上がってしまいます。仮に高性能なバッテリだとしても、必要以上のものは運動性を下げるウェイトにしかなりません。

特に小型機は、非力な上に元々軽量なこともあって、ちょっとした重量増が大きく響きますので注意して下さい。

●まとめ

一般的な普遍的「ルール」という内容でしたので、抽象的な感じで書いた部分もありますが、今後どんなヘリを手に入れた時にでも考慮しなくてはならない項目です。

RCヘリを組み立てたり調整する際は、これらを常に頭に入れておいて頂けたら、と思います。

1限目~13限目まで続いた一般的事項も今回で終わりで、次回の14限目からは、実際に機体を機種別に調整していく実践編となります。

この一般的事項で得た知識と合わせて、思いっきりRCヘリを楽しみましょう!

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2009年10月 1日 (木)

RCヘリ超初心者向けBBSについて

RCヘリを始めたい、始めたのはいいけど、調整方法が分からなかったり、ホバリングがどうしてもできない...といったRCヘリ初心者の方が情報を探している時に、このブログに辿り着いたはいいけど、どこに何があるんだか分からない、とか、どこに書き込んで良いんだか分からずにメール送っちゃいました、みたいなケースが散見されています。

なかなかスレ違いみたいな話題には入っていけないでしょうし、見ず知らずの人にメールを送るのも勇気がいることだと思いますので、本ブログとは独立させた別館として、そんな初心者の方の悩みを解消して頂くためのBBSを立ち上げました。

画面左の帯にもリンクを設けましたが、掲示板のURLは、

http://yszone.bbs.coocan.jp/

と、なっています。

画像貼り付けも可能となっていますので、文字だけでは分かりづらい内容であれば、是非写真も貼り付けて頂ければ、と思います。

また携帯電話からも同じURLでアクセスでき、cwm4c5mz343@yszone.bbs.coocan.jp宛に写真付きメールを送ることで写真も投稿できますので、フライト場所からの投稿なんてことも可能です。

このBBSを皆さんで盛り上げていただいて、一人でも多くの方に大空へ飛び立って欲しいと思います。

よろしくお願い致します!

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2009年9月20日 (日)

RCヘリ講座:12限目「ノーマルプロポとコンピュータプロポ」

■12限目「ノーマルプロポとコンピュータプロポ」

20090919_002

ここでは、RTFセット等に付いてくる、液晶画面がついていないプロポを「ノーマルプロポ」、フタバやJR等のプロポメーカー製の液晶画面が付いている様々な設定が出来るプロポを「コンピュータプロポ」と呼びます。

これらの違いは何なんでしょう?

※機能名称はフタバのものとします

●こんな時どうする...

こんな架空のストーリーを展開してみます。

Aさんが、E004をRTFセットに付属している「ノーマルプロポ」で飛ばしていました。

Aさんは几帳面な性格で、機体はキチンと調整され、整備も行き届いていましたが、どっかのブログにそそのかされてベルヒラー化しちゃいました(笑)

Aさんがベルヒラー化してホバリングしてみたら、エルロンやエレベータをホンのちょっと操作しただけなのに、ガクンガクンいうほど動いちゃう状態になってしまいました。Aさんは「大枚叩いたのにコントロールし辛いヘリになっちゃったじゃね~か...どうしてくれるんだ!」と文句を言いました。

...というストーリーです。ありそうでしょ?(笑)

これは、スティックのニュートラル付近では操作量以上に機体が動いちゃう(と感じる)状態ですから、これを改善するには、スティックの操作量よりも機体の動きが鈍くなる方向で調整します。

まずはプロポ側ですが、「ノーマルプロポ」ですと、プロポ側ではほとんど何もする事ができず、あえて書けばスティックを長目に調整するくらいです。

スティック先端は、プロポ内部にある軸を中心に円運動しているわけですから、その半径が長くなることで、同じ操作量でも中心部ではちょっとしか動かないようにできます。

ただし、大きく操作したい場合は、スティックを大きく操作することになりますし、スティックが長くなるので操作感が変わってしまいます。ちなみに最大舵角は変わりません。

プロポの基盤レベルで改造すれば、電気的に動作量を減らすことも可能ではありますが、それなりの知識が要求されてしまい、一般的ではありませんので省略します。

次に、プロポ側の対策で十分でなければ機体側を調整することになります。現実的にはこちらになると思います。

機体側では、何点か調整することができます。

1点目は、エルロン・エレベータサーボのサーボホーンとスワッシュを繋ぐリンケージロッドのホーン側の取付位置を一つ内側(軸側)の穴にすることで、サーボの出力軸を中心とした円が小さくなりますので、同じサーボの動作量でもスワッシュの動きを小さくすることができ、最大舵角を減らすことができます。

2点目は、ベルヒラーのミキシングアームとスワッシュが繋がっているリンケージロッドのアーム側のボールの位置を外側にするとベルの効きを弱め、初期反応を鈍くすることができます。

3点目は、E004のスワッシュプレートのヘッド側のアームには、長短2種類ありますが、通常長い方をヒラーへ、短い方をベルへリンケージロッドを取り付けます。これがもし逆になっているなら、このようにすることでニュートラル付近を舵を鈍くすることができます。

その他としては、フライバーにウェイトを追加したり、フライバーパドルの面積を減らすなどしても、効果の現れ方は違いますが鈍くすることができます。

このようにノーマルプロポでは、機械的に機体やプロポを調整することで、機体の動きを鈍くすることができなくはありませんが、かなり面倒ですね。

●コンピュータプロポがあれば...

コンピュータプロポがあれば、ヘリ用のローエンドモデルのプロポでもプロポ側の設定をチョチョッと変更することで改善することができます。

この場合、デュアルレート(D/R)とエキスポネンシャル(EXP)という機能を使います。

Dr_exp

D/Rは舵角調整機能でして、エルロン、エレベータ、ラダーの各サーボの動作幅を舵別に細かく変更可能で、最大舵角を調整することができます。

サーボホーンにリンケージロッドを取り付ける位置を変更するのと同じような効果が得られます。

EXPは最大動作量は同じなまま、スティック中立付近のサーボの動作量を加減することができます。

通常はプロポ=デジタルプロポーショナルシステムというくらいですから、プロポーショナル=比例する=操作量と動作量が比例するということなのですが、サーボは比例して動いてるんだけど、機体の動きは比例しているように感じられないような...このストーリーのようにニュートラル付近が敏感に感じられたり、サーボホーンが柔らか過ぎて捻れてしまったりしていると逆に鈍感に感じられたりすることがあります。

こういった場面で、操作量とサーボの動作量を2次曲線的な関係にして、操作量と機体の動きが比例しているように感じるようにするという機能です。

コンピュータプロポなら、こういったD/RやEXPという機能をプロポの画面を見ながらポチポチ設定するだけで、じゃじゃ馬だったヘリを大人しいヘリに生まれ変わらせる事ができちゃいます。

飛ばし込んで慣れてきて、物足りなくなった時に、「元の状態に戻す」ということも簡単だろう、ということも分かると思います。20090301_021 

FF9の場合、プロポの画面はこんな感じで表示されます。

●ホバリングも格段に楽になります

また別の例としては、ホバリングする際のスロットル操作を楽にすることができます。

これは固定ピッチ機でも可変ピッチ機でも同じですが、可変ピッチ機はピッチコントロールとの兼ね合いもありますので、分かりやすくするために固定ピッチ機のケースとして説明します。

ホバリング時に、上昇も下降もしないスロットル位置が極端に下の方でも上の方でも飛ばしづらいです。特に下の方過ぎるのは、将来、可変ピッチ機を買ってアイドルアップを使う...なんてことを考えると、変なクセとして身につきかねませんので、その位置は、できればスティック中央より上あたりにしたいところです。

また、その位置から少しでも動かすとヘリが激しく上下しちゃうようでは、やはり飛ばしづらいので、できればスティック中央付近は細やかに操作できるようにしたいところです。

こういう時は、スロットルカーブ(THR-CRV)という機能を使うことで改善できます。

Thr_crv

通常は、スロットルスティックの操作量とアンプの出力は、前述の例と同様に比例していますが、これをある程度、FF9ですとスロットルを5ポイントに分けて任意に変更することができます。

カーブということですが、縦軸にアンプ出力、横軸にスティック位置というグラフにして考えると分かりやすいです。ちなみにFF9以上のプロポは実際にグラフとして表示され感覚的に設定できます。

まず、横軸の真ん中(スティック中央)で、縦軸にヘリが上下しないような高さ(アンプ出力)にします。

そのポイント付近のカーブを寝かせてあげることで、スティックを大きく動かしても、アンプ出力は少ししか変化しないようにします。

これだけで、2つの問題をクリアし、かなり飛ばしやすいヘリになります。

20090301_049

FF9の場合、プロポの画面はこんな感じで表示されます。

●コンピュータプロポのメリット

コンピュータプロポのメリットは、今まで機械的に対処してきた調整を、電子的に画面を見ながら調整できるということに尽きます。

もちろん調整できていないヘリを飛ぶように出来るワケではありませんが、多少飛ばしづらいヘリを飛ばしやすいヘリにすることが出来ます。

電動RCヘリを飛ばす時によく使う代表的な機能を挙げてみます。

・モデルメモリー
・デュアルレート
・エキスポネンシャル
・ジャイロ感度
・スロットルカーブ
・ピッチカーブ
・リボリューションミキシング

また機体の初期設定で使う機能としては、

・リバース
・エンドポイント
・スワッシュAFR
・パラメータ
・サブトリム

っていう感じですね~。

これらの機能の詳細については、プロポの説明書を読んで頂きたいのですが、14限目以降の「e-sky機種別情報」の中でも出てきます。

この他にも何とかミキシングとか色々と機能がありますが、これらを抑えておけば、とりあえず問題有りません。

このリストに挙げた機能は、RCヘリを格段に飛ばしやすくし、調整を簡略化してくれますから、実は初心者の方にこそ使って欲しいと思います。

サブトリム一つをとっても、これが有る無しで初期調整の「出来」に差が出てしまいます。

●コンピュータプロポのデメリット

コンピュータプロポのデメリットは、はっきり言って値段が高いという以外にはありません。

E004のような固定ピッチのヘリであっても、その恩恵は絶大だと思います。

「使いこなせるだろうか」という不安はあると思いますが、はじめの内こそ機能の役割やその効果を理解するのは大変だと思いますが、全部の機能を覚える必要はありませんし、マニュアルを熟読して必要な機能だけ理解さえしてしまえば、これほど心強いアイテムはありません。

あえて言えば、ノーマルプロポに比べて消費電力が大きいので、電池の減りが早いことです。

それを解消するに2,000~3,000円程度のリポバッテリを電源とすることをお勧めします。リポバッテリにしておけば一日中遊べますし、調整中もつけっぱなしにできますし、心置きなくシミュレータにも使えます。

●まとめ

ハイエンドクラスなプロポになればなるほど、機能も増えますが、前述のように上級者だけが使うような、普段は絶対使わないだろ、みたいな機能も多々ありますので、そんな超高級なプロポは必要ないと思います。

逆にローエンドクラスになると、同じ機能でも例えばスロットルカーブがグラフとして見られなかったり、画面が狭くて全体を把握しづらかったり、同じ機能名称だけど機能を簡略化されていたり...なんて事がありますので、フタバ製ではFF10やFF9といったミドルクラスのプロポをお勧めします。

このクラスなら全日本選手権なんかに出場するのでなければ必要十分な機能と操作性を備えていますし、高級感もあったりして所有感も満足させてくれます。

特に初心者だからこそ、お勧めします。

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2009年9月16日 (水)

RCヘリ講座:11限目「ハンダ付けについて」

■11限目「ハンダ付けについて」

同じ空モノでも、モーターとバッテリを動力とする電動モノは、ハンダ付けはどうしてもついて回るので上手に付き合っていかなくてはなりません。

学校の授業でハンダ付けして以来触っていない...なんて方もいらっしゃると思いますが、「コネクタを付け替えたい」とか、「モーターを交換しよう」、「コードが切れちゃった」とかっていう時に、どうしてもハンダ付けしなくてはならない場面が出てきます。

ハンダ付けは、ポイントさえ押さえれば、それほど難しいものではありませんから、この際ハンダ付けを上手にできるようになっちゃいましょう!

●ハンダ付けに必要なもの

ハンダ付けするにあたって、最低限揃えなくてはならないものと、+α的にあった方が作業が楽なものがあります。

<最低限必要なモノ>
・ハンダごて

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これが無くては始まりません。目的に応じて色々な種類のハンダごてが販売されています。

RCヘリでは、アンテナ線のような細いものから、バッテリのコードのような太いものまで、様々なモノをハンダ付けする場面に遭遇しますので、10~20W程度のものと50W程度の2種類あると便利ですが、基盤や電子部品をハンダ付けするのでなければ、ある程度大は小を兼ねられるので、大容量のものを買っておきましょう。

・ハンダ

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ハンダは、鉛とスズを主成分とした合金ですが、その割合が違ったり、銀が入っているものなど色んなハンダが売られています。普通にホビーショップやホームセンターで売っているもので大丈夫です。ただリールタイプの方が量も多いですし、重さで固定されるので便利かな、と思います。

・ペースト、フラックス

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金属表面の酸化皮膜や油分を取るためのものです。ハンダ付けする箇所に予めこれらを塗布しておくと、ハンダ付けが格段に楽になります。

・コテ先を掃除するモノ

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コテ先が汚れていると、キレイにハンダ付けすることができません。

ペーストを使うと、ヤニが黒くなってコテ先にべっとり付いてしまったり、余分なハンダが付いたりします。

これを水を含ませた専用のスポンジみたいなもので、そぎ取る感じでキレイにしてあげます。水で湿らせたティッシュとかでもなんとかなります。水で冷えますから温度調整にもなります。

<あると便利なモノ>

・コテ台

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ハンダ付けしている最中にコテを置きたい場面が多数出てきますが、コテ台が無いと机の上にコテ先が接触しないように、うまく合わせて置いたりすることになります。机や周辺のモノにコテ先が当たると焦げたり、最悪火事になっちゃいます。コテ台があれば、コテ台にズボッと刺すだけですから、心配事も減りますし、作業も格段に効率的になります。

・第三の手

ハンダ付けは、あるモノとあるモノをくっつけるためにハンダ付けするので、ハンダごてを片手で持っていると、どう考えても、あるモノの片方しか手で持つことが出来ません。

しっかり固定しないとキチンとしたハンダ付けはなかなか出来ませんので、万力等でも良いですから、少なくとも一つは「あるモノ」を固定してくれるようなものがあると便利です。

●ハンダ付けのポイント

私が考えるハンダ付けのポイントは6つあります。

A.十分な容量を持ったハンダごてを使うこと
B.こてを十分暖めること
C.こて先はキレイな状態にしておくこと
D.予備ハンダすること
E.ペースト、フラックスを使うこと
F.短時間で終えること

それぞれ理由を書いていきます。

A.十分な容量を持ったハンダごてを使うこと

大きさに合ったハンダごてを使わないと、ハンダ付けするモノに熱を奪われ、ハンダを十分に溶かすことができなくなってしまいます。

ハンダ付けがうまくいかない原因の大半はここにあると思いますので、基盤に電子部品をハンダ付けする場合などを除き、なるべく大容量のハンダごてで作業しましょう。

B.こてを十分暖めること

A.と同じような理由となります。大容量のハンダごてでも暖まるまで時間がかかりますので、十分暖まるまで作業は行わないで下さい。

C.こて先はキレイな状態にしておくこと

ヤニがこびりついていたり、前に使ったハンダがこて先に残っているとキレイにハンダ付けすることができません。湿らせたスポンジ等で拭き取ってキレイな状態を維持するようにして下さい。

D.ペースト、フラックスを使うこと

ハンダ付けする箇所にこれらを塗布しておくと、油脂分を飛ばし、酸化を防ぎ、ハンダが弾かれたりすることなく、非常にのり易くなります。ただし、これらを使ってハンダ付けした後は、ハンダ付けした箇所にヤニが残ったりしますので、クリーナー等で拭き取ってあげて下さい。

E.予備ハンダすること

ここが最大のキーポイントとなります。

例えばコード同士をハンダ付けする場合、予めそれぞれのハンダ付け箇所にハンダを十分染み込ませておきます。またT型コネクタの端子なんかも端子のところにハンダを盛る感じでハンダを付けておきます。これを予備ハンダと言います。

こうしておくことで、本番の時に非常に短時間でキレイにハンダ付けすることができます。

F.短時間で終えること

ここまでのA.~F.をクリアしていれば、短時間でハンダ付けすることができると思います。

どれかをクリアできないと、長時間格闘することになるかもしれませんが、長い時間こてを当てたままだと、それに繋がっているモーターやバッテリ、コネクタ等に熱が伝わり、最悪変形したり、故障したり、劣化させたりする恐れがあります。

キチンと準備をして数秒間で終わらせるようにしましょう!

●ハンダ付け手順

一番ハンダ付けする回数が多いと思われ、尚かつ危険度の高いバッテリのコネクタ交換を例に、上記のポイントを踏まえながらハンダ付け手順を追っていきましょう。

ここでは、E004につかう2セル7.4V900mAhのリポバッテリを買ってきたらBECコネクタが付いてきたのでT型コネクタに交換する...という状況です。

1.ハンダごてを暖める

意外と暖まるまで時間が掛かりますから、作業を開始するにあたって、まずハンダごてに電源を入れます。こて台が無い場合は、こてが転がって回りのモノを焼かないように注意して下さい。

2.交換するT型コネクタ(メス)を万力等で固定する

T型コネクタは小さいですから万力等で変形しない程度にがっちり固定しておくと作業がはかどります。

※コネクタにはオスとメスがあります。まぁ差し込む方がオスで、差し込まれる方がメスとなりますが、ショートを防ぐために必ず電源(バッテリ)に近い方をメスにします。バッテリとアンプを接続するコネクタはもちろんのこと、アンプとモーターを接続するコネクタも電源に近い側=アンプ側をメスにします。

またT型コネクタには極性があります。Tの字の横棒にあたる端子がプラスで、縦棒にあたる端子がマイナスになります。自分だけしか使わないのであればどちらをプラスにしても問題無いかもしれませんが、充電器とかの絡みもあったりする可能性があるので、この様にして下さい。

3.元々ついていたコネクタの根本で切断する

※ここから先は、バッテリのコード1本ずつ作業をします。コードを切断する際も、2本のコードを金属製のニッパーで一辺に切断するとショートします。ショートさせるとバッテリに深刻なダメージを与えてしまうので必ず1本ずつ作業をします。

まず1本のコードをコネクタの根本から切断したら、5mm程度被覆を剥き芯線を出しばらけないように軽く捩っておきます。

4.芯線に予備ハンダする

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まずは芯線にペーストを塗布するところからです。

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芯線をペーストに突っ込む感じで塗布し、こて先を湿らせたスポンジで拭いた後、コテ先にハンダを5mmくらい溶かしてつけて、芯線の部分に当てます。1~2秒も当てると芯線にハンダが染み込み、メッキされた状態になります。

5.コネクタの端子に予備ハンダする

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こちらも、まずはペーストを塗布するところからです。

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コネクタ側も同様に予備ハンダします。コネクタ側は両端子とも予備ハンダしておきます。緩やかな山になる感じです。

こて先は熱くなりすぎないようにする意味もあるので、ハンダ付けする度にその直前にキレイにしておきます。

6.コードとコネクタにハンダ付けする

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ハンダ付けする前に、絶縁のため熱収縮チューブを1cmほどに切断し、コードに通しておきます。このサイズのバッテリなら5mm径程度で良いと思います。やれば分かりますが先に通しておかないとダメですよ。

改めてコードかコネクタの端子部にペーストを塗布し、ほんのチョットこて先にハンダを付け、ハンダ付けする箇所を合わせたらギュッと1~2秒ほどこて先で押しつけます。長時間当てるとバッテリが劣化したり、コネクタが溶けますから気を付けて下さい。

コネクタは万力で固定しているので良いですが、コードもかなり熱くなりますので、素手ではなくピンセットなどを使うと良いと思います。

ハンダが接合部に十分行き渡ったらこてを離し、冷えて固まるまで動かさないようにします。

ハンダが浮いてたり、トゲトゲになったり、丸く球みたいになったりしたら失敗です。一度冷えるまで待ってからやり直して下さい。

しっとり濡れた感じで滑らかでなだらかな表面になれば完璧です。

7.熱収縮チューブを被せる

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先ほど通しておいた熱収縮チューブを端子部に被せるようにし、ライター等で軽く炙るとチューブが収縮してぴったりと被さります。ショートさせないようにするため、必ず絶縁して下さい。

8.もう1本のコードもハンダ付けする

もう1本のコードについても3.から7.までを繰り返し、作業を終了します。

●予備ハンダからコードをハンダ付けするまでの動画

ハンダ付けの一連の手順を動画にしてみました。ハンダごてを当てる時間などを参考にして下さい。

●その他のハンダ付け

他の箇所をハンダ付けする際も基本は同じです。

king3に使うような3セル1500mAh程度のバッテリになると、もっと太いコードが使われていますので、容量の小さいハンダごてでは作業が難しくなります。大容量のハンダごてを使用して下さい。

●まとめ

これらのポイントと手順をキチンと踏まえれば、それほど難しくはありませんが、慣れない内はやっぱり難しいと思います。

全く自信が無いと言う方は、いきなり本番で壊しちゃったりすると悲しいですから、いらないコードなどで何度か練習することをお勧めします。

直接ハンダ付けの技術とは違いますが、どの箇所をハンダ付けする時も、電気が通るところを接続するワケですから極性(プラス・マイナス)や短絡(ショート)、絶縁には十分気を付けて下さい。大抵の機器は極性間違いや短絡した状態で電気を流すと一発で壊れます。

また自分に焼きを入れないように火傷と火事には十分注意して下さいね!

●参考サイト

ハンダごて(goot CX-100)
http://www.goot.co.jp/detail.html?id=66&p=1&c=79

ペースト(goot BS-15)
http://www.goot.co.jp/detail.html?id=122&p=1&c=79

第三の手
http://www.veristores.com/tools/goodslist.asp?ct=339

ハンダ付けに関するサイト
http://www.mini-z-bar.com/page097.html
http://www.freelab.jp/fl_kit/kit_7handa.html

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2009年9月 1日 (火)

RCヘリ講座:10限目「e-skyについて」

■10限目「e-skyについて」

初心者の方でe-sky製のRCヘリを初めてのRCヘリとして購入された方も多いと思います。

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しかし、良く分からないまま「飛ばないヘリ」として放置されていたり、良く分からないまま「エライ状態の機体」で一生懸命練習されていたりするのではないかと思います。

また普通では考えられないようなトラブルに巻き込まれたりする方もいるかと思いますが、こんな時にe-skyに文句を言ってはいけません。そういうものなのです(笑)

「怪ヘリ」の代名詞的存在のe-skyとは、いったい何者なんでしょう?

●e-skyとは

e-skyというのは中国のRCメーカーで、日本の正規代理店は、SEKIDOという会社です。

TWF HOBBY
http://www.twf-sz.com/

TWF-JAPAN
http://www.twf-jp.com/

SEKIDO
http://sekidotyo.com/

e-skyやwalekeraといった中国製RCヘリは、国産で同等のRCヘリを買おうとする場合の何分の一という値段で買うことができたりします。パーツも安いので維持費も安いです。

しかし、キットやパーツが店頭に置かれているというお店は極少数ですので、大抵の場合、通販による購入になると思いますが、送料なんかを差し引いても、あまりの安さに「値段の割に内容がスゴイという怪しいヘリ」ということで、いわゆる「怪ヘリ」というジャンル?になります。

品質は、やはり「それなり」という面があり、通常では考えられないような事が起こったりします。特にRCメカ類の信頼性はそれほど高くないような気がします。国内のRCメーカー製のメカも生産国は中国産だったりしますが、管理が違うのか、安心感というか信頼感は全然違いますね。

e-skyのヘリは、ベアボーン(組立済みの機体のみ)もありますが、大抵、RTF(Ready To Fry)セットとして売られています。その名の通り箱出しそのままで飛ぶような感じがしますが、組み立ても怪しいので、「まともに」飛ぶようにするには、経験が必要だったり、多大な労力を要したり、追加予算が必要だったりします。説明書は英語や中国語だったりしますが、それ以前に説明書の内容自体が怪しい(笑) でもキチンと仕上げれば、そこそこ良く飛びます。まぁ、そこそこなんですけど(笑)

そういう意味でe-skyのヘリは、必ずしも初心者向きではないのは確かなのですが、国産ではE004のような、安くて軽くて良く飛ぶ(箱出しそのままじゃ飛びませんが...)という初心者向けの機体が無いというのも事実ですし、king3のような国土の狭い日本にジャストサイズな可変ピッチ機も無いというのも事実ですので、この相反する現状をどう考えるかです。

T-REXシリーズで有名なAlignは台湾のメーカーですが、シングルローター機では、国内の電動ヘリ界を席巻しています。パーツも広く出回ってますね。

しかし、こちらはスーパーコンボなどのセット品でもコンピュータプロポや充電器、バッテリを持っていることが前提ですので、性能はe-skyなんかよりも何倍も素晴らしいのですが、初期費用という観点からみると簡単に始められそうな感じではなくなります。でも将来絶対に欲しくなりますが(笑)

国産のヘリなら説明書も丁寧に作り込まれてますので、RTFなら箱出しでも、説明書通りに調整すれば飛んだりします。でもやっぱり高目です。

RCヘリを始めるにあたって、02限目「機種選定」でも初めての機体は同軸二重反転式をお勧めしていますので、国内メーカーであるヒロボーのXRBと、e-skyのLAMAシリーズという機種で比較してみましょう。

初めてのRCヘリが、ヒロボーなのかe-skyなのか...ということですと、旅館の温泉につかっているのと、自分で薪で沸かす風呂に入るのとぐらい違うかも知れません(笑)

自分で薪に火を付けて風呂を沸かすには、経験と知識と技術と体力が必要となります。

この差こそが値段の差だと思えば間違いありません。

このブログのようなLAMAを扱っているサイトを世界中隈無く探し回って情報を集めれば、温泉とは言わないまでも家のお風呂くらいにはなります(笑)

ちなみに安定性やパーツの入手性はXRBの方が上ですが、運動性能と壊れにくさはe-skyの方が遙かに上です。

私のような一般庶民にとって「安い」ということが何よりも優先されちゃったりしますので、始めたばかりで右も左も分からんという状況から、自分で知識を得て、技術を磨き、まともに飛ぶようにしてあげなくてはならないという試練を乗り越えてでもRCヘリを楽しみたいという、「M」な方にはe-skyがホントにお勧めです(笑)

●まとめ

「RCヘリを始める」にあたって、どうしても初期費用がクローズアップされてしまいます。

例えばe-skyのLAMAシリーズであれば、1万円程度でフルセットが手に入ります。XRBでは4万円程度ですかね?

この差は歴然ですが、「RCヘリを続ける」という点で行くと、維持費が結構掛かるという事実をお伝えしないわけにはいきません。

私が今まで自分のe-sky LAMAにスペアやオプションやらで半年ほどで注ぎ込んだ額は、それこそXRBが買えるくらいだったと思います。

ただ毎日欠かさず5パック飛ばした結果ですし、XRBでも同様以上に維持費は掛かるわけですから、やっぱりe-skyの方が安上がりだと思います。

また世界にはもっと怪しい格安のヘリが売られていたりします。これらに比べれば、e-skyは怪ヘリメーカーではなく優良メーカーの部類に入りますので(笑)、初めてのRCヘリなのであれば、まずはe-skyで鍛えてからチャレンジされた方が良いと思います。

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2009年8月27日 (木)

RCヘリ講座:09限目「コレクティブピッチとサイクリックピッチ」

■09限目「コレクティブピッチとサイクリックピッチ」

コレクティブピッチ(Collective Pitch)とサイクリックピッチ(Cyclic Pitch)は、ヘリを理解する上で重要なポイントになります。

自分のヘリを手にとって、よ~く観察しながら読んで下さい。

●コレクティブピッチ

まずコレクティブピッチですが、コレクティブピッチは「ヘリを上下させるためのピッチ」になります。

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メインローターが回転すると円盤のように見えることからディスクと呼ばれていますが、コレクティブピッチは、このディスク面全体で同じように付いているピッチです。ピッチとはローターについている角度のことでしたね。

E004は固定ピッチ機(Fixed Pitch=FP)ですので、ローター自体に付いているピッチの事になります。

E004の場合、メインローターを回転させると、どの位置にあってもメインローター自体についているピッチは変わりませんよね。変わらないピッチ=固定ピッチとなります。

固定ピッチなので、ヘリを上下させるには回転数を上げ下げすることになります。

一方の可変ピッチ機(Collective Pitch=CP)は、ピッチをプラスからマイナスまで変化させることができます。マイナスにすると逆ピッチになるため、背面飛行ができたりするワケです。

可変ピッチ機はイメージ的には回転数を一定とし、コレクティブピッチの角度をプラスにしたりマイナスにしたりしてヘリを上げ下げします。角度の付け方によって負荷が変わりますから、それに合わせて回転数を一定に保てるようにモーターの出力を調整する感じです。

RCヘリで「ピッチ」というと、このコレクティブピッチのことを指す事が多いと思います。ピッチカーブやピッチゲージでの「ピッチ」もコレクティブピッチのことになります。

●サイクリックピッチ

次にサイクリックピッチです。

サイクリックピッチは、サイクリック=周期的な...ということで、周期的に変わるピッチとなります。

サイクリックピッチは「水平(前後左右)移動するためのピッチ」ですが、水平に移動する際、メインローターの回転面=ディスクが傾くことによって移動しているのは分かると思います。

では、何でディスク面が傾くのでしょうか?

ここからはノーマルのE004を前提に書きますが、ご自分のヘリで実際にエレベーターをフルダウン(左スティックを上に倒す)に固定してみて下さい。

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そのまま手でメインローターを上から見て時計方向にゆっくり回転させてみて下さい。そうするとフライバーパドルが機体の横に来た時には、パドルが左側が下、右側が上を向いていると思います。

さらに回転させフライバーパドルが機体の前後方向になった時に水平に戻ると思います。

エルロンも同じように試してみて下さい。え~と左に打ってみましょう。

フライバーパドルが機体の横に来た時には水平に、機体の前後方向になった時にパドルが前側が上、後側が下を向いていると思います。

このようにメインローターが1回転する間にフライバーパドルのピッチが周期的に変化していることが分かると思います。

E004の場合エレベータをダウンにするとフライバーパドルが機体の横に来た時には、パドルが左側が下、右側が上に、フライバーパドルが機体の前後方向になった時に水平に戻ることを確認しました。

ヘッドの部分をよぉ~く見ると、フライバーとメインローターヘッドがメガネみたいなリンクで接続されていることが分かると思います。

左側のフライバーパドルを下方向に角度を付けると、右側は上に向いていると思います。パドルは小さい羽根の形状になっていますから、この状態でメインローターを回せばパドルが向いた方向にフライバーが傾きます。

フライバーが傾くとそれに接続されたメインローターがつられて傾く(ピッチが付く)のが分かると思います。

フライバーが傾くとつられてメインローターも傾くので、1回転する間にメインローターも傾いたり水平になったりを繰り返すことになります。

しかし、まだここで終わりではありません。

08限目でも出ましたが「ジャイロスコピックプリセッション」という用語を覚える必要があります。

ジャイロスコピックプリセッションは、回転する物体に直角方向から力を加えると90度遅れたところに出力されるという現象でしたね。

回転しているコマを指で真横からつついてみると90度違う方向へ移動します。これがジャイロスコピックプリセッションです。

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先ほどの話しでフライバーパドルへ傾き(力)を与えた時に、実際にフライバーが傾くのは、ジャイロスコピックプリセッションにより90度回ってフライバーが前後方向になった時に、ようやく最大に傾くことになります。

エレベータをダウンにした場合は、フライバーが左右方向の時に左が下、右が上を向きます。そこから90度回って前後方向になった時に、フライバーの前が下、後ろが上に傾くことになります。

フライバーが傾いたことにより、それに接続されたメインローターが傾きピッチがつきます。フライバーが前後方向ですから十字に配置されているメインローターが左右方向にある時です。

ここでメインローターがフライバーと同じように左が下、右が上を向きます。それが90度回って前後方向になった時に、メインローターの前が下、後ろが上に傾くことになります。

これを繰り返すことでメインローターがディスクとして前傾することになり、ダウンを打ったことになるワケです。

フライバーパドルの意味も分かりましたかね~。

こうやってフライバーパドルによってスワッシュプレートの傾きをメインローターに伝える方式をヒラー式と言います。

直接メインローターを操っているのではなくフライバーパドルを介して間接的にメインローターを操っているワケです。

間接的なので舵が遅れる傾向にあり、細かい操作にはついていけなさそうですよね?その変わり大きな舵にはグングン効きます。

またローターヘッドやフライバーの動きが渋いと舵が効かなくなることも分かると思います。なんせこの小さいパドルが全てなんですから。

このヒラー式に対してベル式というものがあります。

これはヒラー式がパドルを介した間接的な方式だったのに対して、ベル式は直接メインローターの傾きを操作しちゃおうという方式です。

先ほどの例でエレベータダウンした時の動きですが、フライバーパドルとは90度遅れた位置で動作します。

それはどういうことかと言うと、ちょうどヒラーで言うフライバー(ベルのスタビライザ)が前後の位置にある時=パドルでメインローターを傾ける位置ですので、要するにヒラーと同じタイミングでメインローターを直接的にグイッと傾けるワケです。

直接的に制御するだけに細かい舵にも敏感に反応します。

敏感すぎるためにベル式ではフライバーパドルではなくオモリとしたスタビライザー(安定装置)を装備します。

しかし、そのスタビライザーが邪魔をして逆に大きな舵は苦手です。

ヒラー式は大きな舵は○で、小さな舵は×
ベル式は小さな舵は○で、大きな舵は×

...ということで、この2つを組み合わせちゃいましょう!というのがベルヒラー混合式です。

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ちょうど制御するタイミングが90度ズレてますからヘッド回りの構成上都合が良いですし、どちらも使えば小さな舵から大きな舵まで良く効くようになりますし、機種によっては、ミキシングレバーの比を変える、パドルの面積を変える、オモリの重量を変えてみるなどして、その混合度合いを調整できたりもしますから、自分の好きなような特性にすることも可能です。

●まとめ

RCヘリのヘッドの部分は、スワッシュプレートの動きをコレクティブピッチ、サイクリックピッチとしてメインローターへ伝えるために、ベルヒラー混合式という実機よりも複雑な構造が多く採用されています。

この構造を発明した人はホントに天才だと思います(笑)

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2009年8月13日 (木)

RCヘリ講座:08限目「ヘリに関する現象」

■08限目「ヘリに関する現象」

飛んでいるヘリに発生する現象について書きたいと思いますが、私は専門家ではありませんので、細かい原理などはわかりませんから、ここでは軽く書きますので、興味が沸いた方は航空力学などの勉強をされることをお勧めします。

※ここではシングルローターのヘリで、メインローターが機体を上から見て時計回りのヘリを想定して書いています。イラストのロビンソンR22みたいなのは、実機は反時計回りですが突っ込まないで下さい(笑)

●ドリフト

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07限目にも出ましたが、テールローターが左へ進もうとするので、どうしても機体が傾いてしまいます。これが「ドリフト」です。

シングルローター機は、ドリフトにより右に傾いた状態でホバリングします。これはそういう特性なので無くすことはできません。

特に浮上時は、左にどんどん流されて行っちゃうような状態になりますので、慣れない内は非常にやっかいな現象ですが、流されそうになったらエルロンをちょっと右に入れて浮上させれば回避できます。

●地面効果

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「地面効果」は、「グランドエフェクト」とも言いますが、要は、ヘリが地上近くの低高度(メインローターの直径くらいの高さ)でホバリングしていると、メインローターが吹き下ろした風(ダウンウォッシュ)が、地面に跳ね返ってくることにより、ダウンウォッシュが弱まり揚力が増すということです。

ちなみに私はローパワーのヘリと時、地面効果が効いている範囲でホバするとスロットルを上げなくて済むので好きです(笑)

余談はさておき、揚力が増すのでスロットルはあまり上げなくても浮いてますが、一様に跳ね返ってくるワケではないですので、不安定になりがちです。

離陸直後や着陸寸前に不安定になるのは地面効果によるものです。離陸直後に左に行っちゃったりするのはドリフトによるものなので、この地面効果とは無縁ではないと思いますが、違うものです。

ホバリング練習する際は、E004であればメインローター径が510mmですから、膝から腰の高さくらいで地面効果が発生する領域を離れることになりますので、腰高くらいで練習すると良いと思います。

●コーニング

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「コーニング」とは飛行中のメインローターが万歳をしているように見える現象のことです。

SRBやXRBなどの発泡ブレードや、E004やLAMAなどの樹脂ブレードは、比較的柔らかめの素材ですので、コーニングが顕著に表れます。

メインローターが機体重量と揚力と遠心力の合成力で引っ張られている感じです。

コーニングが強めの方が運動性は劣りますが安定性は増しますね。

●転移揚力

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「転移揚力」は「トランスレーショナルリフト」とも言いますが、ヘリをある程度の速度で前進させると、前から空気がやってきますので、ホバリング中よりもメインローターを通る空気が多くなるため、揚力が増すということです。

ホバリングよりも、上空を流している時の方が、スロットルは絞る感じで飛ばせますので、燃費も良くなりますね~。

ホバリング中でも風が吹けば同じ事ですね。ヘリは空中を飛んでいるので、対地速度ではなく対気速度が重要になります。ちなみに墜ちる時は対地速度が重要になります(笑)

また、テールローターも同じ理由で推力が上がりますから、上空を飛ばす場合は、ジャイロがヘッドロックモードなら関係ないですが、ノーマルモードだとラダートリムがズレたりしますし、機体側の感度が上がりますので、ジャイロ感度を下げる必要があります。

●ジャイロスコピックプリセッション

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これは飛行中の機体に現れる現象ではなく、ヘリの構造に関わる現象なのですが、次の「揚力の不均衡」と「貫流速効果」を理解するためには必要な現象です。

スワッシュの傾きをローターの傾きとする仕組みは、次回の09限目「コレクティブピッチとサイクリックピッチ」で書きますが、その内容ともリンクしてきます。

「ジャイロスコピックプリセッション」とは回転する物体に直角方向から力を加えると90度遅れたところに出力されるという現象です。ここではこのことだけ理解して次の項目をご覧下さい。

●揚力の不均衡

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「揚力の不均衡」は「ディシィメトリーオブリフト」とも言いますが、前進中のヘリのメインローターの回転面の前進翼(メインローターが時計回りの場合は左側半分)は、ブレードの回転速度プラス前進による対気速度となりますので揚力が上がりますが、後退翼(同じく右側半分)は、ブレードの回転速度マイナス対気速度となりますので、揚力が下がります。対気速度が速いほどこの傾向は顕著となります。

左側半分は揚力が上がり、右側は揚力が下がるワケですが、ジャイロスコピックプリセッションにより、90度ずれてヘリの前側で揚力が上がり、後側で下がる=エレベータアップと同じ現象になります。

ホバリング中に前から風が吹いたときに機首を上げちゃうのはこれが原因かも知れませんね。

●貫流速効果

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「貫流速効果」は「トランスバースフローエフェクト」とも言いますが、先ほどの「揚力の不均衡」がメインローターの回転面に対し、左右の揚力が不均衡になるという話でしたが、「貫流速効果」は前後の話になります。

前進中のヘリには、メインローターの回転面の前側の方が後ろ側よりも揚力が増えます。前側半分は揚力が上がり、後側は揚力が下がるワケですが、ジャイロスコピックプリセッションにより、90度ずれてヘリの右側で揚力が上がり、左側で下がる=エルロン左と同じ現象になります。

前進させると勝手に左ロールを始めちゃうってことですね。

●まとめ

これらを総合すると、前進中のヘリは、転移揚力によって揚力が増えてラダーのトリムもズレ、揚力の不均衡によって機首を上げ、貫流速効果によって左ロールを始めちゃうということになります。

ただし、これらの現象が全て同じような量で現れるワケではないですし、機種や速度域、セッティングなどによっても変わってきます。

前進させて浮き上がったりするのは、機体がおかしいのではなく、そういう現象かも...ということが判断できれば良いんじゃないかと思います。

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